■11/30のOPEC総会で減産合意の可能性がある11/30にウィーンで石油輸出国機構(OPEC)の総会が開催されます。この総会で減産が合意されれば、2008年のリーマンショック以降、7年9カ月ぶりに原油価格が大幅に上昇すると思われます。瞬間で55$位まで上がる可能性もあるとの噂ですが、しかし実際に上がる確率はどのくらいあるのでしょうか?
■制裁解除で生産能力が倍増したイランとサウジアラビアの対立イランは今年1月に核開発に対する経済制裁が解除され、輸出拡大を目指し、制裁解除前の倍の400万バレル/日まで生産量を回復させようとしています。一方のサウジアラビアはシェアの維持、価格の引き上げを行うため減産を目指しています。今年の2月にはOPEC3ヵ国(サウジアラビア・ベネズエラ・カタール)とロシアを含む4ヵ国で「増産凍結」の暫定合意がなされましたが、結局イランが合意せずに失敗に終わっています。この為対立が長期的になるだろうと考えられていました。
■イランの現在の立ち位置経済制裁が解除されたイランは先程も話した通り、輸出拡大を目指し最新設備の導入を行い増産をしようといています。これであれば当然減産に合意するはずがありません。しかしある国がイランに対しプレッシャーをかけています。
■アメリカの存在そもそも今回なぜイランの経済制裁が解除されたかというと、今年1月に核合意文書にイランが同意したため核開発を積極的に行わないことを条件に経済制裁が解除されました。これを機に、各国の企業や銀行がイランとの取引を再開しようと動き出しましたが、トランプ氏が次期大統領に選出されたことにより、各企業が待ったを掛けました。なぜかというと、今回トランプ氏が発表した人事の一人、CIA長官のマイク・ポンペオ氏が核合意文書に非常に強く反対しているからです。これにより各国企業(特にアメリカ企業)はイランとの取引が再開しにくい状況に陥り、イランもまた設備を新たにすることが出来なくなっています。設備が作れなければ増産の見通しが立たない為、イランも自国の立場や利益を考え減産に合意する可能性もあります。
■シェールオイル(ガス)復活の兆し前途した通りイランが減産に合意した場合、原油価格が大幅に上昇する可能性が出てきます。恐らくするでしょう。そうなればアメリカのシェールオイルも息を息を吹き返してきます。シェールオイルとは地下のシェール層に特殊な薬剤を流し込み、圧力で採取した原油です。現状では50$前後で採算が取れると言われています。原油価格が上昇すれば当然シェールオイルも稼働を始めるでしょう。しかし減産を行った意味がなくなるとの懸念も出ています。サウジアラビアとしては減産はしたいがシェールオイルが起動するのも好ましないものだと思います。
■日本国内への影響では実際に減産が合意された場合日本にはどのような影響が出るのでしょうか?
物価の上昇、この一言に尽きます。原材料が原油の製品はもちろん輸送にも石油製品を使います。ガソリン、ペットボトル、石鹸、化粧品、衣類などあらゆるものが値上がりします。またアスファルトなども石油製品なので税金が上がるかもしれません。
当然これは途方もなく原油が上がった場合なので、実際にはガソリンが少し高くなったな~ くらいの影響でしょう。
もちろんデメリットだけでなくメリットもあります。産油国なのど経済の回復につながり、更には世界的な規模で経済が安定し、株価の上昇につながる可能性があります。国内の景気も良くなるかもしれません。
■実際に減産に合意する可能性私個人的には70%くらいの確率で破綻すると漠然と思っています。イランとしてはやはり増産したいところでしょう。先程あげたCIA長官の件もどこまで影響力があるのかわかりません。サウジアラビアとしてもシェールオイルはちょっといただけないのかなと。。。実際問題シェールオイルの問題があるので仮に合意に至ったとしても原油価格は50$くらいまでしか上がらないのでは?と考えています。
運命の日まであと5日!
果たしてどちらになるのでしょうか!?
http://gskakaku.blog.fc2.com/blog-entry-84.html12月は原油価格値上がりの可能性?
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